カリフォルニア州司法試験の勉強方法などについて⑩

―――――――― 目次 ―――――――――

1. 勉強スタイル、要した時間等について

2. 使用教材について

(1)全体像

(2)各教材の説明

【インプット教材】

コーヒーブレイク~「条文」について~

【アウトプット教材】

【最大限の敬意を表しつつ(with all due respect)、使用してみたものの、個人的には不要であったと考える教材】

コーヒーブレイク~使用した機器について~

3. 具体的な勉強方法について

(1)短答

⑵論文

――――――――――――――――――――

⑶PT

前回記事から少し時間が空いてしまったが、最後にPTの勉強方法とおすすめの答案作成方針について記して、このシリーズを終わりにしたいと思う。

過去記事でも記したとおり、PTの配点はEssayの2科目分に相当し、合格を目指すうえでは文字通り最も重要な科目と言える。

確かに暗記要素がなく、現場力の勝負となるため、水物と割り切って、力を入れて対策をしないという受験生も少なくないようだが、私としてはしっかりと力を入れて対策することをお勧めする。上記のように、この科目で良い点数が取れれば点数上も大きいし、またこの科目はしっかりと対策をして回答のプロトコルを体に覚えさせることで、高い確率で良い答案が書けるようになるはずだからである。

さて、私が赤本による演習を通じて確立したPTの必勝パターンは、以下のとおりである。

①問題の指示を読んで、起案すべき文書の種類、記載すべき論点、導くべき結論を確定する(→すぐにこれらを答案に書き、答案のフレームワークを固める)。

②添付の裁判例から「記載すべき論点」の規範部分をPCでコピペする。この際、裁判例の事案や事実関係、当てはめ部分は基本的に読まないし、答案にも記載しない(奇跡の満点から確かな70点への覚悟)。

③①と②の作業で、「問題提起」と「規範」が完成しているので、本件における具体的事実関係で関連しそうなものを片っ端から「規範」の下にコピペで突っ込みまくる。

これにより、時間に余裕を持ちつつ、(美しくはないが)適切な規範に基づき(少なくとも分量だけは)かなり充実した当てはめを安定して容易に達成することができる。

このプロトコルがどのように機能するかを示すために、実際に私が受験した2025年2月の試験のPTを解いてみたいと思う。

実際の問題は、こちらから入手してほしい。

では、以下、実際に解いていこう。


ステップ1: 指示文を読む。 (所要時間: 2~3分)

「WILLIAMS & O’BRYANT, LLP」で始まるレターヘッドが書かれたページを読む。

Julie Williamsという先輩弁護士から私(Applicant)に対する指示が記されている。この指示に応えて起案することが本PTの課題であるため、急ぎつつ丁寧に読み、以下を読み取る。

・クライアントはMrs. Valerie Jamisonという未亡人。夫の死に関してSunriseを訴えている。

・死因はSunriseの製造した梯子の部品が故障したことと主張。

・しかし、Sunrise起用の試験会社が当該部品を壊してしまった。

以上を読み取ったうえで、Julieからの以下の指示を確認する。

I would like you to prepare a letter to Mrs. Jamison addressing the following two questions:

First, can she obtain a default judgment or other sanctions against Sunrise, based on its failure to preserve the allegedly defective rung locks?

Second, can she bring an independent tort action against Advanced Testing based on its destruction of the rung locks?

以上の2点を検討したクライアント宛レター(意見書)を書くことが課題の要旨と分かる。

ステップ2: 指示文を踏まえて答案の骨格を作る。 (所要時間: 2~3分)

ステップ1を踏まえて、直ちに、以下のとおり答案の骨格を作る。

TO: Julie Williams
FROM: Applicant [注:TOとFROMは指示文を機械的に入れ替える。]
DATE: February 25, 2025 [注:日付は試験日とする。]
RE: Jamison v. Sunrise Ladder Co., Inc. [注:件名はそのままでよい。]

[注:ここで宛名を書く例もあるが、私は、性別の判別ができなかったらどうしようとか、そもそも内容には関係がないよなとか、考えて、結局宛名を書かずに本文に行くことにしていた(指示文にも宛名はない)。]

Pursuant to your request, I have prepared this letter to Mrs. Jamison addressing the following two
questions: [注:ここはなるべく指示文をそのまま生かして書く。以下は指示文のまま。]
1. Can she obtain a default judgment or other sanctions against Sunrise, based on its failure to preserve the allegedly defective rung locks?
2. Can she bring an independent tort action against Advanced Testing based on its destruction of the rung locks?

I Conclusion

As discussed below, [結論を後で埋める]


II Discussion

1. Can she obtain a default judgment or other sanctions against Sunrise, based on its failure to preserve the allegedly defective rung locks?

[議論を後で埋める]

2. Can she bring an independent tort action against Advanced Testing based on its destruction of the rung locks?

[議論を後で埋める]

~続く~

※本記事にはアフィリエイト広告は含まれない。

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