―――――――― 目次 ―――――――――
1. 勉強スタイル、要した時間等について
2. 使用教材について
(1)全体像
以上については過去記事①参照
(2)各教材の説明
【インプット教材】
コーヒーブレイク~「条文」について~
以上については過去記事②参照
【アウトプット教材】
以上については過去記事③参照
【最大限の敬意を表しつつ(with all due respect)、使用してみたものの、個人的には不要であったと考える教材】
以上については過去記事④参照
コーヒーブレイク~使用した機器について~
以上については過去記事⑤参照
3. 具体的な勉強方法について
(1)短答
以上については過去記事⑥参照
⑵論文
途中までについて過去記事⑦を参照
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そのうえで、論点に関する論証として何をアウトプットすべきかの訓練については、青本を通じた過去問演習とは別に、日本人ノートやSmart Bar PrepのSmart Sheets等を通じたインプットの勉強の中で行うべきである。
(以下が続き)
具体的には、以下の2ステップで行っていく。
①Smart Sheetsの記載粒度で各論点をコンパクトに理解する
②うに弁護士先生「Essayのためのシンプル論証集」の記載粒度で論証を丸暗記する
以下、順にみていく。
①について、過去記事②で書いたとおり、Smart Sheetsは、主要科目(Constitutional Law、Civil Procedure、Contracts、Criminal Law&Procedure、Evidence、Real Property、Tort)について、各科目ごとに、5~10頁程度にまとめたまとめノートである。
「そんなに短くていいの?」と不安に思う短さだが(同じSmart Bar Prepのエッセイ用論証集であるCA Essay Priority Outlineでは、1科目30~50頁程度である)、最終的には各科目、この程度の知識があれば合格には足りる。
Civil ProcedureのSupplemental Jurisdictionの論点を例にとってみる(以下、Feb2023 Smart Sheetsの6頁より引用)。
Supplemental Jurisdiction – Allows a party to bring a state claim in Federal Court that does not meet the requirement of SMJ.
− A Federal Court may exercise Supplemental Jurisdiction when such claim arises from a common nucleus of operative fact as the other claims the court has SMJ over (the claims must arise out of the same transaction or occurrence).
いきなり何も知らない状態からこれだけを読んでも(英語として読めても)、この論点を理解することはできない。
- Supplemental Jurisdictionが、Federal QuestionやDiversity of Citizenshipと並ぶFederal Subject Matter Jurisdiction (SMJ)の1つであること(またそもそもSMJとは何か、なぜFederal courtsの場合に必要か)
- どのような場合が“arises from a common nucleus of operative fact”、“same transaction or occurrence”といった要件を満たすのか
- どのような請求がどのような場面で、Supplemental Jurisdictionに依拠して提起されるのか
といった点までもう少し広く深く知ったうえでないと、上記の論証をきちんと「わかった」状態にはなっていない。
そこで、日本人ノートを読んだり、書籍(私の場合、民訴は「わかりやすい米国民事訴訟の実務」、憲法は「アメリカ憲法入門」を使用した)を調べたり、今であればChatGPTに訊いたりしつつ、論証に書かれた用語の意義や要件の具体的なあてはめ方などについて理解できるようになった状態を作りながら、Smart Sheetsの論証を一つ一つしっかりと覚えていく。
基本的にここに書かれていない論点は学習のスコープ外としてもよいと思う。「短答や論文の過去問等を解いているとあまりに頻繁に問われるのに、記載がないため、追記する必要があるのではないか」、「この論点の記載は、さすがに要件の論じ方が不十分なので、もう少し言葉を補った方がよいのではないか」と思われる論点については隙間に書き足したり、別紙などを作成して覚えてもよいと思うが、そこでcompletenessやexhaustivenessに拘り過ぎると、せっかくコンパクトな論証集を使っている意味がなくなってしまうので気を付けたい。実際、私もこのような形で論証を書き足したり、論点自体を増やしたり、といったものはほとんどない(今読み返してみると、各科目で1、2か所追記があるかどうか、という程度だった)。
さらに重要な点として、この5~10頁/科目というコンパクトさであるSmart Sheetsすら、内容を覚えはするけれども、論文で吐き出すために丸暗記はしなくてよい。
論文で記載する論証は、もっと、はるかにコンパクトでよい。
上記のSupplemental Jurisdictionであれば、“A federal court has supplemental jurisdiction when the claim arises from a common nucleus of operative fact with the underlying claim (i.e., when the claims arise out of the same transaction or occurrence).”と書いて、あとはあてはめである。Smart Sheetsと比べて短くてよく、表現も簡潔なものでよい(may exercise supplemental jurisdictionといったかっこいい言い回しを覚える必要はない)。
あくまで、頭の中に整理しておく知識の深さ、粒度として、Smart Sheetsのレベルに合わせればよいということである。その論点を問われたときに、「Smart Sheetsではこんなことが書いてあったな」と一言一句までは諳んじていないけれども内容を思い出せる程度に覚えておけばよい。
~続く~
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