委託に伴う「戻し提供」の例外は、個人関連情報には無い

Q&AのQ8-9(↓)は以下のように述べるが、個人関連情報の第三者提供には法27条5項1号に相当する委託の例外規定はないため、個人データであれば、委託先から委託元への「戻し提供」として規制対象外とされるところも、個人関連情報の場合には、委託元が個人データとして取得する限り、法31条1項が適用される。

例えば、委託先が、個人関連情報の取得を委託されていて、これを委託元に返す場面など(個人データの取得を委託されていれば、「戻し提供」で適用除外だったのに)。

一見不都合な結論に思えるが、個人データの「戻し提供」の場合には、委託先による処理時点で既に本人識別が行われているのに対し、個人関連情報の「戻し提供」の場合には、委託先による処理時点では本人識別がなされておらず、委託元においてはじめてこれがなされるので、本人の認識しない個人データの取扱主体が生じ得る。その意味では、この帰結の違いにも実質的な理由があるとも言えそうだ。


Q8-9
個人データの取扱いの委託に伴って委託先に個人データを提供しました。委託先にとって当該データが個人データに該当せず、個人関連情報に該当する場合、委託先が当該データを委託元に返す行為について、法第31条第1項は適用されますか。

A8-9
個人データの取扱いの委託に伴って委託元が提供した個人データが、委託先にとって個人データに該当せず、個人関連情報に該当する場合において、委託先が委託された業務の範囲内で委託元に当該データを返す行為については、法第31条第1項は適用されません。

ただし、委託先が、委託先で独自に取得した個人関連情報を当該データに付加し、その付加後の当該データを委託元に返す場合には、法第31条第1項が適用されます。


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