―――――――― 目次 ―――――――――
1. 勉強スタイル、要した時間等について
2. 使用教材について
(1)全体像
以上については過去記事①参照
(2)各教材の説明
【インプット教材】
コーヒーブレイク~「条文」について~
以上については過去記事②参照
【アウトプット教材】
以上については過去記事③参照
【最大限の敬意を表しつつ(with all due respect)、使用してみたものの、個人的には不要であったと考える教材】
以上については過去記事④参照
コーヒーブレイク~使用した機器について~
以上については過去記事⑤参照
3. 具体的な勉強方法について
(1)短答
以上については過去記事⑥参照
⑵論文
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以上のような要領で、日本人ノートを読んだり、ChatGPTへの質問を含めてインターネットを調べたり、書籍を読んだりしながら、Smart Sheetsに書かれたことの意味をきちんと理解できるようになり、そしてそこに書かれているレベルの深さで記憶が定着できれば、「①Smart Sheetsの記載粒度で各論点をコンパクトに理解する」という論文対策の1ステップ目は完成である。
次のステップは、「②うに弁護士先生「Essayのためのシンプル論証集」の記載粒度で論証を丸暗記する」であるが、これは全くself-explanatoryで、追加説明は不要だろう。リンク先から論証集を購入していただいて、もりもりと丸暗記していけばよい。(過去記事⑧で、「Smart Sheetsに書かれた論証はそのまま覚えるんじゃなくて、もうちょっとこんな風に簡潔にして、覚えるのがよい」と偉そうなことを言っていたが、実際には自分で暗記用の論証を作ってはおらず、うに弁護士先生論証集を使っていただけである。)
この論証集は、「1科目最大で3ページ、全科目合わせて35ページ」という驚異的な短さで、Smart Sheetsよりもさらに一回りほどコンパクトで、「そんなに短くて本当に大丈夫?」と不安になってしまうほどなのだが、実際、丸暗記するのであればこのくらいが実に丁度良く、そして絶妙に記憶力の限界値に近いと感じる。
Smart Sheets(5~10頁/科目)は、中身を概ね理解する程度であれば適度な長さなのだが、丸暗記するにはやや長すぎるのだ。その点、3頁/科目というこの論証集は、本当に丁度、全部丸暗記できてしまう適度なボリュームなのである。
また、論文試験オンリーの科目(信託、遺言、会社法とか)についても全て網羅されているので(Smart Sheetsは残念ながら短答科目のみである。本来、短答用の教材なので当たり前だが)、その点でもありがたい。
試験直前の3か月前頃から、毎日2科目ずつ回して、文字通り丸暗記に努めていた(これでもたったの6頁である!)。最終的に、細かい言い回しまでは完コピできていなかったと思うが、ほぼ90%程度再限ができるくらいには暗記した状態で試験に臨むことができたと思う。もちろん、本番で吐き出した論証のほぼすべてが、このうに弁護士先生論証集に書かれたものそのままである。
本当に素晴らしい教材なので、是非活用していただきたい。
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コーヒーブレイク~「一体どの論証が正しいの?」問題について~
論文試験の勉強を始めて、「よっしゃそろそろ論証を覚えていきますか」となった頃、おそらく誰でも抱きまくる疑問が、「この論点に関する論証って、一体どれが正解なの?あっちとこっちで、違うことが書いてあるけど」というものである。
これは、上記のSmart Sheetsとうに弁護士先生論証集との関係に関して話題にしたような、記載の細かさ、分量の問題ではない。内容的な違いである。
例えば、私自身も結構な期間、納得のいく答えが見つけられないまま悩み続けたものとして、「Civil ProcedureのPersonal Jurisdictionに関して書くべき論証は、どれが正しいか」という問題がある。
この論点は、民訴科目の中で相当の確率で出題されるし、かつ規範も長いので、確実に丸暗記しておいて一気に吐き出したいものである。(汚い話をして申し訳ないが、昔、はじめてラーメン二郎を食べに行ったとき、絶対に残してはダメだと連れて行ってもらった友人に言われていたのだが、どうしても巨大なチャーシューを食べきることが出来ず、口の中に詰め込んだまま店を出て、店を出た瞬間に口から出して(飲み込んでいないので嘔吐ではない。念の為)ティッシュでくるんでゴミ箱に捨てた苦い思い出があるが、その状況における巨大なチャーシューが、まさに自分にとってはPersonal Jurisdictionのイメージに近かった。規範が長くて覚えきれないので、試験直前に見直して、短期記憶のまま、試験開始直後に答案用紙にベッと吐き出す感じである。)
しかし、教材によって、Personal Jurisdictionの要件はどれも微妙に異なっており(それこそ、青本の模範解答でも、Smart Sheetsでも、うに弁護士先生論証集でも、私が民訴の基本書的に用いていた「わかりやすい米国民事訴訟の実務」でも、どれも微妙に考え方が違っていた)、「どれを書くのが正しいんだろう?」とずーっと決め切れずにいた。
最後まで答えは見つけられなかったが、試験直前期になって、「まあよくわかんないけど、それっぽいものを書いて当てはめをすれば、どれでもいいんだろう」と(試験直前期の余裕の無さからのある種のあきらめもあって)割り切って、うに弁護士先生論証集の記載をほんの少しだけ自分なりにアレンジしたものを選んで使っていた。
Personal Jurisdictionの要件以外でも、同じような悩みを持った論点が、各科目で少なくとも数個以上はあったが、最終的にはどれも割り切って、基本的にはうに弁護士先生論証集を暗記したと思う。
結局、「コーヒーブレイク~「条文」について~」でも書いたとおり、カリフォルニア州司法試験には、おそらく、条文や判例に端を発しつつも、現在ではそれらとは別個の存在となった「司法試験専用の規範体系」が存在しているのだろう。そして、この規範体系が出典となる条文等から独り歩きし、いわばガラパゴス的な進化を遂げる過程で、独自の派生形や亜種が生まれてきたのではないかと思われる。それらの派生形や亜種は、もはや「本物」とは異なるものの、その出自が明らかである限り、(出自との厳密な整合性については検証されたり、問われたりしないまま)「正しい規範」として扱われているのだろう。全く私の推測に過ぎないが、そんなことを考えたうえで、「あれに書いてある論証と、これに書いてある論証が違うけど?」と迷ったときにも、特に深く考えずに、うに弁護士先生論証集の記載をとりあえず盲目的に従うことにしていた。
その方針で正しいとは保証できないが、なんとなく、それで問題ないのではないだろうか。少なくとも、「この論証集では、いくら丸暗記しても合格できないよ!」という地雷論証集みたいなものは、存在を聞いたことがない。
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~続く~
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