カリフォルニア州司法試験の勉強方法などについて⑦

―――――――― 目次 ―――――――――

1. 勉強スタイル、要した時間等について

2. 使用教材について

(1)全体像

(2)各教材の説明

【インプット教材】

コーヒーブレイク~「条文」について~

【アウトプット教材】

【最大限の敬意を表しつつ(with all due respect)、使用してみたものの、個人的には不要であったと考える教材】

コーヒーブレイク~使用した機器について~

3. 具体的な勉強方法について

(1)短答

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⑵論文

過去記事③でも書いたように、論文試験対策としては、定評のある過去問集である青本を使用すればよい。

論文試験の過去問すべては、州弁護士会のウェブサイトから確認できるうえ、おまけに(内容的にも分量的にも人智を超えた凄みのある)優秀答案も2通ずつ付いているので、これらを用いて論文対策を行うことは不可能ではない。しかし、上記過去記事で述べたとおり、私は、青本に掲載された以外の過去問は一切解いていない。また予備校等が作成したオリジナル問題も用いなかった。

やや感覚的な話になるが、CA州司法試験は、日本の司法試験と比べても、重要論点が繰り返し(しかも同じような問われ方で)出題されやすいと思う。例えば、Civil Procedureの科目におけるPersonal Jurisdictionなど。このような出題頻度の高い重点分野を確実に押さえる観点からは、青本で十分に事足りている。それこそPersonal Jurisdictionなどは、青本に掲載されている各科目6つの厳選された過去問の中ですら、何度も何度も出題されるのだ。

そのうえで、その他の「1回出るかどうか」の重要性の低い論点について「もしかしたらもう一度出題されるかもしれない」という期待(というか不安)からしらみつぶしに過去問を解きまくるのはあまりにも効率的でない。


私は青本に掲載された過去問を、どの科目でもだいたい3周、Professional Responsibilityなど出題頻度が高く対策の重要性が高い科目(2023年時点のものだが、「カリフォルニア司法試験に独学で黙々と挑戦する会」様作成の「2023年最新版 カリフォルニア州司法試験 論⽂出題傾向⼀覧」を参考にしていた)では、5、6周と繰り返し解いていた。

こう書くと、もの凄い演習量に聞こえるが、実はそれほどでもない。

私の青本の使い方は、

① 答案の骨子を頭の中で考えて紙に書く―約10分

② 模範答案構成を見ながら①で特定した論点に過不足がないかを確認する―約10分

というもので、1問を「解く」のに30分程度しか掛からない。

そのため仕事がある平日でも、夜などに2問ずつ日々程度取り組むことができていた。時間を計ってのフル起案は、本番直前のタイミングで数回程度行ったのみである。

このように答案骨子を作る訓練を重ねることで、答案に書くべき論点(合格のためには絶対に落としてはならない論点(Civil ProcedureであればPersonal Jurisdiction等))を含む)をきちんと特定するスキルを養うことができる。


そのうえで、論点に関する論証として何をアウトプットすべきかの訓練については、青本を通じた過去問演習とは別に、日本人ノートやSmart Bar PrepのSmart Sheets等を通じたインプットの勉強の中で行うべきである。

~続く~

※本記事にはアフィリエイト広告は含まれない。

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