読みました(途中まで)。
井上真偽さんという方のデビュー作。
メフィスト賞の51回受賞作である。
登場人物が、ある事件を論理学(?)を用いて検証していくという新感覚のミステリー。の短編集。
たしかに新鮮だった。論理学の記号とか数式みたいなのが別表とか巻末資料にふんだんに織り込まれていたし。
ただ、これはもはやミステリー小説というよりは、『ミステリー小説で学ぶ論理学入門』というように、教科書的なポジションの方がフィットするのでは?
ストーリーを読むのに不必要な専門知識(登場人物もめちゃくちゃ複雑なことを言った後で、「まあ難しいかもしれないけど、ここから先の話を理解するには今の話のうち、この部分だけ覚えておけばいいから」みたいに言っちゃう)が披露されまくるので、その専門知識を習得するつもりのない読者(私)にとっては、必然的に読み飛ばす部分が多く、楽しみ切れなかった。
法学でも『小説で読む民事訴訟法』とかがあるが、読んだことがないけどきっと同じ感じだと思う。
とはいえ、メフィスト賞っぽいと言えばメフィスト賞っぽい。
以前にも『六枚のとんかつ』というトンデモ小説がメフィスト賞を獲ったことがあったけど(間違いなくトンデモだったのだが、読んだのが10年以上前でどこがトンデモだったかは忘れた)、メフィスト賞はそういった奇抜で新鮮な作品を評価する章であったはず。
結局、本作は途中で読むのを止めてしまったが、論理学に興味が湧いたら、また読み進めてみたい。
以上です。