書評『発現』

読みました。

阿部智里氏の作品。

この先生も、読むのは初めて。最近は新しい作家に色々と挑戦している(というか、好きな作家の作品をだいたい読み終えてしまって在庫がない)。

帯とアマゾンのレビューの高さ(4.5)に惹かれて買ったが、残念ながら期待外れだった。

さすがにホラージャンルであるのなら(あるいは、この作者自身はホラーのつもりで書いていないのかもしれないが、少なくとも帯はホラーの体で売りだしていた)、

ものすごく怖いか、

怖さの裏になるほどと唸らせる仕掛け(か理由付け)

のどちらかは備えているべきだと思う。

しかも、例えば貴志祐介氏や鈴木光司氏、澤村伊智氏などはどっちも備わっている。

また例えば、飴村行氏の場合はどちらかと言えば前者にウエイトだが、その突き抜け具合が半端ではない(たしか、デビュー作の受賞の際の選評コメントで「作家以外の職業に就くのは危険すぎるほどの歪んだ思想の持ち主である」的なことを書かれていた気がする)。

 

基本的にストライクゾーンは広いタイプの読者だと思っていますが、今回は少し残念でありました。

 

以上です。


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